2013年01月26日

No125 たかが吊り輪、されど吊り輪


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       ▽ 伝統の白い吊り輪    近畿日本鉄道 ▽

かつて電車の吊り革、吊り輪と言えば、白色と相場が決まっていましたが、近年は様々な色や形の吊り輪が登場し、中には木製のものまでがあり、驚きます。

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         ▽ 黒の吊り輪  JR中央線 ▽

ご覧の写真、縦長の斬新なデザインと黒の出で立ちは、東京−高尾間を走るJR中央快速線の通勤電車です。

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2006年(平成18年)に初めて登場した時には、吊り輪の既成概念を打ち破る黒の吊り輪が並ぶ光景に、誰もがびっくりしました。

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              ▽ 京阪電鉄 特急 ▽

こちらは京阪間を結ぶ京阪電鉄の最新鋭の特急車両です。
外観の濃い赤色と、吊り輪の色合いが…

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同じ赤系統のものになっています。
京阪電鉄は色の呼称を公表していませんので、あえて言えば濃いオレンジか、あずき色でしょうか。
手かけの輪の上、帯と呼ばれる塩化ビニール製のベルトもグレーで個性的です。

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  ▽ 車内は緑色の吊り輪でいっぱい   京王電鉄京王線 ▽

さらにこちらは新宿から京王八王子・高尾山口を結ぶ京王電鉄京王線です。
なんと車内は、明るい緑色の吊り輪が満艦飾です。

10両編成のうち、「緑色の吊り輪の車両は高尾山口行き、白の吊り輪は京王八王子行き」などと、かつて同一列車で2つの行き先の列車を併結し、途中で分割運転していた際に、乗客が間違って乗らないよう、車内アナウンスで分かり易くする方策とした導入されたそうです。

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奥にはシルバーシートゾーンのお馴染みのオレンジ色の吊り輪。
そして緑いろの吊り輪。さらに手前は後から追加された白色の吊り輪。
オレンジ色と緑、白の3色のコラボレーションは、京王線だけで見られる光景です。

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   ▽ なんと木製の吊り輪も登場  富士急行線 ▽

山梨県を走る富士急行線には、なんと握り部分がプラスチックでなく、木製のものまでが登場しています。
初めて見たとき、とても新鮮でした。

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この富士急行線を走る「富士山登山電車」です。
この電車の内装は…

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吊り輪だけでなく、車内には木製の飾りだなや本棚、テーブルまでがあり、木製づくしです。

オマケですが、昨年12月、これも京王電鉄ですが、井の頭線に特別ラッピング電車が登場しました。

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    ▽ 特別ラッピングの京王井の頭線電車 車内には… ▽

5両編成のこの電車には、たった2つですが、こんな遊び心が。

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ピンクのハート型吊り輪です。
井の頭線と言えば、若者の街渋谷と吉祥寺を結ぶ都会のお洒落な路線として知られていますが、大都会の通勤電車でこんな洒落たことをするとは、なかなかのものです。


ところで吊り輪は、戦前から吊り革と呼ばれていました。帯(ベルト)の部分に吊り革が使われていたことによります。現在は塩化ビニールに取って変わられていますが、車内放送ではほとんどの場合、現在でも吊り革とそのまま放送されています。

吊り革はその名のとおり、天井から演歌ビニール製の帯(ベルト)ではなく、吊り革だけが下がっていました。その後、帯の先に握りの手かけ輪が付けられました。

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▽ 戦前型の「つり革」スタイル、皮製の帯。後に手かけの輪が追加▽

その形態を今日でも各地の鉄道博物館の保存車両で見ることが出来ます。
写真は福岡県の鹿児島本線門司港駅脇にある九州鉄道博物館の保存車両、キハ07型車内で見られるものです。吊り革の下に、手かけが付けられた状態のものです。

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  ▽ 「つり革」のスタイルが見られる旧国鉄キハ07型保存車両
                           九州鉄道博物館 ▽

朝夕の通勤通学でお世話になる「吊り輪」ですが、こうしたものにも様々な変遷や個性があることを知ると、電車旅、鉄道旅行の楽しみも倍増します。

[撮影データ]
   〇近鉄 JR東日本 京阪電鉄 京王電鉄 富士急行 九州鉄道博物館にて撮影
   〇主に平成24年、25年1月撮影


posted by 特急高尾号 at 11:27| Comment(0) | 鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月18日

No124 トキワ荘のあった街 椎名町駅に大壁画


東京の西武池袋線椎名町駅に、ご覧のような、かつての人気漫画のヒーローたちが一同に描かれた、縦3メートル、横4メートルの大壁画が、昨年11月にお目見えしました。

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駅南口へ通じる階段の踊り場に、この大壁画はあります。

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鉄腕アトムやドラえもん、おそ松君などなど、昭和30年、40年代の懐かしいヒーローたちが目白押しです。

じつはこの椎名町、かつて数多くの芸術家達が暮らしていた街として有名です。
そして熱心な漫画ファンなら誰でもご存知の、あの有名な「トキワ荘」が、この椎名町駅の近くにありました。

ヒーロー達が屋根で踊っているこの建物が、「トキワ荘」です。
実際の「トキワ荘」の写真も飾られています。

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この「トキワ荘」で、手塚治虫や藤子・F・不二雄、石森正太郎さんなど、日本を代表する漫画家9人が、青春時代、苦労時代をここで送ったことは、あまりにも有名です。

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大壁画には、この9人の漫画家の自画像や、それぞれの作品のキャラクター達が描かれています。


このほか駅構内には、「豊島区ゆかりの漫画家」と題したパネルコーナーもあり、キャラクターや漫画の原画、メッセージなども展示されています。

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また駅の外には「トキワ荘」を始め、ゆかりの地や建物を紹介した大マップもあり、散策の手助けとなります。

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じつはこれらの展示は、椎名町駅の新駅舎完成に合わせ、地元商店街などの方々が、「この街や、当時の楽しい雰囲気を知って欲しい。また漫画家たちの作品にもたびたび登場するこの駅をきっかけに、この街を訪れて欲しい」と、制作したものです。

椎名町駅は、JR山手線池袋駅から西武池袋線に乗り換えて一駅の近さです。
漫画好きの方は、ぜひ訪れて見てください。

[撮影データ]
   〇「トキワ荘」大壁画ほか
      西武池袋線椎名町駅構内、及び南口
   〇平成25年1月15日撮影

posted by 特急高尾号 at 21:17| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月09日

No123 山梨・富士急行線にて


過日、山梨県のJR中央線大月駅を起点に河口湖までを結ぶ富士急行線に始めて乗車 する機会がありました。

そこで、「へぇ〜」とびっくりした、驚きの電車にめぐりあいました。

 

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これがその電車です。

外観はステンレス製、片側に4つのドアがある都市部を走る通勤電車と同型のスタイルですが、中に入ってびっくり。

 

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なんと車内の床が木製、というより大変きれいな、ピッカピカのウッドスタイルでした。


昭和30年代の電車の床は、みな安上がりの簡易な板張りでしたが、この電車はそうではなく、実に美しくニス塗装され、まるで美術館の中にいるような素晴らしい仕上げになっていました。

また座席のモケット布地も明るく高級感のあるもので、とても通勤型電車と同型とは思えない空間になっていました。  

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それにこの電車、なんと吊り輪も床の材料に合わせ木製となっています。さらに車両と車両の連結部通路には、「のれん」が掛かるという凝りようです。

帰って調べてみると、 この電車は富士急の6000系で、もともとは首都圏を走るJR東日本の205系と呼ばれる通勤電車でした。
 

富士急が老朽化している旧型電車の置き換え用として平成24年2月から導入し、普通列車用として運行しているものです。


そして導入に際し、
JR九州の九州新幹線や在来線特急車両の内装インテリアを手がけた工業デザイナー水戸岡鋭治氏が、改装のデザインを手がけたということでした。

 

なるほど、これで都会を走った通勤電車が、このように素敵に生まれ変わった理由がわかりました。
ではなぜ山梨県の山間部を走る地方私鉄にこのような電車が登場したかといえば、富士山の麓を走る富士急の進取の気性、富士登山の利用客にも沿線一般利用客にも、少しでも楽しく乗車してもらおうという、心意気なのかもしれません。

 

地方私鉄といえば、これまでは都市部大手私鉄の引退車両を譲り受け、それをそのままに、大事に大事に使用していくということが常でした。

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富士急の例は、譲渡された車両を大胆に改装し、富士山麓を走る自社路線に合わせた新たな価値を産み出して使用するというもので、まさに地方私鉄の新たな風といえそうです。

富山地方鉄道でも、沿線の立山連峰を楽しめるよう、東京の西武鉄道の元特急電車をパノラマカーに大改装したということです。


地方私鉄の新しい風、これからもどのような風が吹くか、楽しみです。


[撮影データ]
  〇富士急行 富士急行線 6000系電車
  〇平成24年11月24日

posted by 特急高尾号 at 22:01| Comment(0) | 鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする