2014年10月30日

No214 車内広告の世界(31)


首都圏を走る電車内で見つけた、面白くて楽しい、かつ時代を反映した車内ポスターをご覧いただいています。
今回は26年10月に出会ったポスターです。

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10月に入ったある朝、通勤電車の頭の上でこのポスターが…。
テレビ番組の宣伝ですが、何か朝から出鼻をくじかれた感じではありました。

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10月と言えば、秋の競馬シーズン到来です。
電車内でも、季節到来のポスターが目立ち始めました。

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さらに中旬に入ると、G1レース、天皇賞のポスターが堂々と…。
昔では考えられません。

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秋は読書週間−、というわけでしょうか。
コミック漫画誌の新シリーズ6本の連載スタートの広告です。2枚分を使用した、気合の入った広告でした。

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秋はまた、美術の季節−。
さすがデザイン性の高い美術展の広告ですが、なんと広告主は「国立新美術館」です。
今時は国立美術館が、電車内の吊り広告を出す時代なのですね。

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子どもの権利の保護を目的に、1919年にイギリスで創設されたNGO組織、Save the Childrenと連動したセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの広告です。
混雑した電車の中でも、しっかりとした存在感を示していました。

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こんな楽しいポスターもありました。
東京西部を走る京王電鉄が昨年新規オープンさせた、鉄道車両の保存展示や親子ずれで楽しめる鉄道関連娯楽施設の1周年記念を祝う広告です。

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京王線の電車の前にも車内ポスターと同じ楽しいヘッドマークが取り付けられ、
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    何と、車内の床面にもこんなに大胆な広告が…。

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さらにさらに、それだけでは物足りないと、吊り手の柄の部分にも広告が…。10両編成の電車内は全て「れーるランド」一色でした。

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とどめは外観で、こちらも賑やかなラッピングでした。
鉄道会社の自社広告で、本腰を入れればここまでやるぞと示しているような広告でした。

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今月の最後はバスの運転士さん募集の広告です。
入社時から正社員、支度金制度もあり3年以上勤務すれば返済なし、年収450万円も可能…。

一見いいことづくめのように見えますが、実は路線バスや高速路線バスの運転士さんは、深夜・早朝・土休日の勤務など過酷な労働環境の中にあるため、最近はこうもしないと人材が集まらないという、今日の厳しいバス事業者の雇用事情があるようです。

[撮影データ]
  〇首都圏内鉄道の車内吊り広告ポスター
  〇平成26年10月撮影

posted by 特急高尾号 at 00:56| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月22日

No213 佐々木 昭一郎さんの世界

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佐々木昭一郎監督の映画、「ミンオン 倍音の法則」が東京の岩波ホールで公開されています。

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佐々木昭一郎さんといえば、元NHKのディレクターで、1980年代、「四季〜ユートピアノ〜」「川の流れはバイオリンの音」「夢の島少女」「マザー」など、類いまれな独特の誌的感性による映像世界のテレビ作品を次々と制作・放送し、イタリア賞、モンテカルロ国際テレビ祭賞、国際エミー賞、ギャラクシー賞、放送文化基金賞などの国際コンクール賞を次々と受賞し、その作風が視聴者を魅了してきたことで知られています。

1995年にNHKを退職した後は伝説の人となっていたのですが、このほど20年ぶりに沈黙を破り、初の映画作品制作で再び監督デビューしたものです。

というわけで、懐かしさいっぱいで佐々木昭一郎さんの20年ぶりの新作を見るべく岩波ホールへ出向いたのですが、ここでびっくり。なんとNHKが作成したご覧のような番組パンフレットに出合いました。

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ひとつは「佐々木昭一郎の作品をもっと見てみたいあなたへ」です。
ことし11月にBSプレミアムで放送される佐々木さんの作品のラインナップと、放送日時が記されています。
佐々木さんの作品はこれまでほとんど再放送はされていないという事ですら、「四季〜ユートピアノ」をはじめ今回の5作品の一挙放送は、熱烈な佐々木ファンにとってはまさに “事件” とでもいうべき出来事です。
しかも初回放送のフィルムをデジタルリマスター化し、撮影当時の登場人物や風景を鮮明に蘇らさせて放送するという事です。

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もう一つは、「伝説の映像作家 佐々木昭一郎 創造の現場」と題された、現在公開されている「ミンオン 倍音の法則」の映画制作を追ったドキュメンタリー番組です。

NHKのアーカイブス番組の放送は、当然のことながらふつうは「番組タイトル」が主軸となって広報されますが、今回は「佐々木昭一郎の作品を〜」と、番組制作者の名前を前面に出した広報・番組宣伝になっているところが驚きです。
またもう一作は、20年ぶりに映画でメガホンを取った佐々木昭一郎さん自身を扱った番組ですが、こちらも個人の名前を冠したタイトル名になっています。

NHKには昭和の時代、ドラマの「和田 勉」「深町幸男」、ドキュメンタリーの「相田 洋」と、固有名詞で通用する凄腕ディレクターが存在しましたが、佐々木昭一郎さんもその一人です。
その中でも佐々木昭一郎さんが最も個性的、誌的映像世界的、伝説的な存在でした。それ故佐々木さんは一般視聴者からは少々難解な存在と思われていたかもしれませんが、こうして独特の作風の価値が再認識され、再び放送されることに高い意義を感じます。

これから行われるBSでの “佐々木昭一郎の世界” の放送は、全てのテレビ番組・作品は文化的価値を有しており、それらを確実に保存・整備・後世に継承していくことの重要性を如実に示した好例です。
佐々木昭一郎さんのファンの一人として、関係者に敬意を表します。

[撮影データ]
  〇佐々木昭一郎監督「ミンオン 倍音の法則」映画ポスター
    東京・神保町「岩波ホール」で10月11日〜12月上旬 公開予定
  〇NHK制作 佐々木昭一郎さん 番組放送パンフレット
    放送は、26年11月の予定
  〇平成26年10月撮影
[関連情報]
  〇映画「ミンオン 倍音の法則」「NHK番組」等の紹介facebook

posted by 特急高尾号 at 21:45| Comment(0) | トピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月15日

No212 “何もない” がある−。千葉・いすみ鉄道


“何もない” がある−。
そして千葉・いすみ鉄道と聞いて、何を思い描きましたか。

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  ▽ いすみ鉄道 西大原−上総東間。運転台直後からの光景 ▽

答えは、この光景です。

ここは千葉県の房総半島、JR外房線大原駅から房総半島の内陸へ向けて走る、ローカル私鉄のいすみ鉄道です。
かつては国鉄の赤字ローカル線、特定地方交通線の木原線でした。昭和63年に廃止され、第三セクターのいすみ鉄道に引き継がれました。

車窓はご覧のように、 “何もない” 光景が延々と続きます。
右も左も、こんなに何もないと、都会生活の私にとっては、もう “別世界” に迷い込んだような感覚でした。

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  ▽ いすみ鉄道 西大原−上総東間。運転台直後から… ▽

そうかと思えば、こんな光景も‥。
線路幅いっぱいにまで覆い茂った木々の間を、いすみ鉄道の1両編成のディーゼルカーはエンジン音を唸らせながら、のそりのそりと進んでいきます。

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▽ いすみ鉄道 吉国駅に進入する光景 
     ホームは線路左側奥の、木の塊りのところです ▽

やがて列車は途中の主要駅、吉国駅に到着します。
と言っても、ご覧の世界。はるか遠方右側に、留置してある2両の車両がポツンと見えますが、その反対側、線路左側には何もありません。いやいや、実はかすかに見える木々の塊りのところがホームなのです。

そのいすみ鉄道−。
当初は赤字運営が続いたのですが、平成21年に再公募による新社長が就任するやいなや、この “何もない光景” を逆手にとり、“何もないがある” として大々的にPR。
さらにムーミン列車を走らせたり、昔懐かしい旧国鉄時代の車両をJRから譲り受けて運転するなど、女性をターゲットにしたり、郷愁を懐かしむ都会人を誘う積極策が功を奏し、今では首都圏から癒しを求めて大勢の観光客が訪れるようになったという事です。

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▽ いすみ鉄道終点の上総中野駅  列車はたった1両のムーミン号 
     手前はここで接続する小湊鉄道上総中野駅のホーム ▽

さて実際にいすみ鉄道を訪れてみると、東京駅からJRの特急で僅か1時間強の場所にこのような世界があるとは−。私は絶句してしまいました。
“何もないがある”景色、古色蒼然とした昭和初期の木造駅舎、素朴で雰囲気満点の車内や駅の空気−。
これら全ての光景が、人里離れた地方の山間地ではなく、東京駅から僅か1時間強の首都圏で出会ったことに、私は驚きを隠せませんでした。
意外や意外、首都圏にはこうした鉄道、沿線光景がたくさんありそうです。

春や秋の一日、ゆったりと、そしてゆるく、こうした世界を新発見する、堪能する愉しみは、まさに旅の醍醐味です。

[撮影データ]
  〇千葉県・房総半島を走る「いすみ鉄道」
     運転台横の車内からの光景と、上総中野駅
  〇平成26年9月27日撮影

[関連情報]



posted by 特急高尾号 at 21:29| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月07日

No211 車内広告の世界(30)


首都圏を走る電車内で見つけた、面白くて楽しい、かつ時代を反映した車内ポスターをご覧いただいています。
今回は269月に出会ったポスターです。


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ガムの新商品の広告です。

車内吊り広告の全部を借り切っての広告です。黒い吊り輪に明るい紫色の対比が強く印象に残りました。


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ディスカバージャパン 〜美しい日本と私〜」−。

JR東京駅のステーションギャラリーで行われている、かつて全盛を極めた、1970年(昭和45年)から開始された旧国鉄の旅行誘致キャンペーンを振り返る展覧会の広告です。


ディスカバージャパンの広告に、懐かしさを覚えた方も多かったはずです。

ポスターの右下には「日本国有鉄道」とあります。

高度成長時代、国民は消費拡大時代に突入し、この年、大阪では「大阪万博」が開催されました。国鉄は団体旅行から、個人旅行拡大キャンペーンに乗り出しました。今から思えば、誰もが非日常的な旅行が夢ではなくなった時代の幕開けであり、このキャンペーンはその象徴でした。


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9月、突然朝日新聞が韓国の慰安婦問題報道の誤報を認め、またこの問題でのフリージャーナリスト池上彰氏の記事掲載拒否についての釈明を掲載しました。


9月は定番週刊誌、総合雑誌などによる朝日新聞糾弾の広告が車内に溢れた月でした。


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「アコムはスマホで」−。

“お金を借りる手続きもスマホでどうぞ”と言うわけです。


かつてお金を借りるとは、煩雑な手続きがつきものでしたが、こうした世界にも「スマホ」の登場です。まさに時代の流れを象徴したポスターでした。


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また同じ車内には、漫画の主人公やこの人も登場し、カードローンの広告も目白押しです。

通勤電車の車内は、“お金貸し”の人たちにとっては、格好のPR空間なのだと思います。


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JR山手線のドア脇の壁面に貼られた広告シールです。

今の時代、「えっ。何それ」というような、どんなものでも広告になるのですね。


[撮影データ]

   〇首都圏鉄道車内の広告

   〇平成269月撮影


posted by 特急高尾号 at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする