2014年12月31日

N0223 車内広告の世界(33)


電車内の吊り広告ポスターは時代を反映し、デザインやキャッチが最先端で見るものを飽きさせません。
そうした面白くて楽しい車内ポスターを毎月定点観測しています。
今回は26年12月に出会ったポスターをご紹介します。

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12月、師走に入り、電車内も年末モードです。
まずは、恒例の「年末ジャンボ」広告ですが、最近はテレビコマーシャルもますます磨きがかかり、そして車内広告でも同じキャラクターが人々の笑いを誘っています。

左の人は男子スケートで大活躍した織田信成さんです。引退後はあの明るいキャラでコマーシャルに引っ張りだこです。その右手の人は、 “わたし、失敗しないので…” のセリフでお馴染み、民放ドラマの「ドクターX」こと、広末 涼子さんです。
師走の慌ただしさと言うより、楽しくなってしまうような広告です。

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東日本大震災の復興に取り組む宮城県から、感謝のご挨拶です。
ことしも厳しい年末だと思いますが、皆さんの笑顔が印象的です。

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そして “宮城のひとめぼれ” です。理屈抜きで、自然に応援したくなってしまいます。

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中旬に入ると、こんな広告も目につき始めました。
12月31日深夜から1月1日未明にかけ、新年の初詣に出かける善男善女のために終夜で電車を運行する−。こんなサービスは、もしかしたら世界広しと言えども日本だけでしょうか。

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まだ年末ジャンボの抽選が行われていない中、下旬には早くも “次の広告” が−。
近年の「宝くじ」広告の熱心さには感心させられます。
もしかして“偉い人”が変わり、広告の方針が変更になったのかもしれませんね(笑)。

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1月2日・3日は、これまた恒例の「箱根駅伝」です。
こちらも「宝くじ」に負けず劣らず、例年個性的な、かつデザインが優れた広告を展開しています。
運営母体が大手新聞・テレビだからでしょうか。広告だけを見ているとマラソンというよりは、完全にビジネスの世界といえそうです。

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そしていよいよ年末を迎えると、車内は新年の初売り、バーゲンの広告で溢れます。
電鉄系などのデパートは、初売りの開始が1月2日で横並びです。

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それに対して若者を対象とした大型商業施設や郊外のアウトレットなどは、こちらも横並びで1月1日からの営業です。
こんなところにも老舗と新興の違いが見て取れて楽しい限りです。
車内ポスターウオッチングの醍醐味とでもいうべきでしょうか。

[撮影データ]
  〇首都圏鉄道の車内広告
  〇平成26年12月撮影

posted by 特急高尾号 at 21:24| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月24日

No222 走れ!新宿ミラノ座へ



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  ▽ ミラノ座お別れポスターより 劇場内にて 26.12.22 ▽

1956(昭和31年)12月1日にオープンした東京・新宿歌舞伎町にある映画館、「新宿ミラノ座」が今月31日で、58年間の歴史に幕を下ろします。
観客数の減少や数多くのシネコンの登場、建物の老朽化、歌舞伎町の再開発などが閉館の理由だという事です。

現在、「新宿ミラノ座より愛をこめて〜LAST SHOW〜」と題し、これまでに公開してきた往年の名作を再上映する “さよなら興行” が、今月20日から31日までの日程で行われています。

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      ▽ 姿を消す新宿ミラノ座 外観 ▽

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ミラノ座の特色は、なんとっても日本最大級の巨大スクリーンと、大観衆の収容が可能な大客席です。
スクリーンは縦8m×横18mもある、超大型のものです。

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このスクリーンを見つめる客席数はなんと1060席。その広さに圧倒されてしまいます。

記念上映の本編が始まる前、ミラノ座の歴史やこれまでの上映作品を振り返る、いわば “思い出のミラノ座” とでもいうべき小編が上映されます。
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   ▽ “思い出のミラノ座” の上映
      画像は昭和31年の、オープン当初のミラノ座外観 ▽

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昭和31年の完成直後の建物外観から現在までの変遷、またオープン直後から半世紀にわたる数々の大ヒット上映作品のポスターが、映画音楽とともに走馬灯のごとく現れては消えていきます。
この小編だけでも一見の価値がある、貴重なコンテンツです。
丁寧な絵作りで、さすが映画作品とともに時代を駆け抜けてきたミラノ座という出来栄えです。

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  ▽ 「荒野の七人」公開中のミラノ座 1961(昭和36年)
              ミラノ座お別れポスターより ▽

昭和30〜40年代の我が国の高度成長期時代、まだ映画が娯楽の中心だった時代、繁華街の映画館と言えばこうした "戦艦大和” のような巨大なスタイルが当たり前で、立ち見客も含めた1000人を越える観客が一つになってスクリーンを見つめ、そして息を呑み、笑い、時には涙する光景があちらこちらに見られました。

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 「新宿ミラノ座より愛をこめて〜LAST SHOW〜」
              上映の作品群 ポスターより ▽

現在行われている特別のさよなら興行は、「戦場のクリスマス」「銀河鉄道999」「ET」「エクソシスト」などの往年の大ヒット作を一律500円で公開しているため、午前の第1回目上映から満員の状態が続いています。

大スクリーンで迫力ある大画像、そして1000席を超える座席が満席となり、観客の皆が一様に同じ画面を食い入るように見つめる光景は、まさに “昭和の時代” そのものです。
私が22日午前に見た「銀河鉄道999」(昭和54年作品)の上映終了時には、観客から一斉に拍手が沸き上がりました。
こうした、生の息遣い、光景が体験できるのも、本当にあと僅かな期間です。

上映開始前に流れる、パイプオルガンで録音されたであろう上映開始を知らせる音楽(チャイム音)にも痺れます。

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ロビーは、様々な記念グッズ、懐かしの映画ポスターが所狭しと飾られており、訪れた人々をしばし鑑賞の、いや感傷の世界へといざなってくれます。

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    ▽ 閉館を伝える 平成26年12月2日付け「東京新聞」▽

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    ▽ さようなら興行入場者に配布されているカレンダー ▽

映画ファンの方も、そうでない方も、あるいはレトロ空間や昭和時代を懐かむことを旨とする方々も、休暇をとって駆けつけるだけの価値は大ありです。
入場者全員に記念のカレンダーが配布されるという、心温まるプレゼントも用意されています。

[撮影データ]
  〇平成26年12月31限りで閉館する新宿ミラノ座
  〇平成26年12月23日撮影

[関連情報]
  〇新宿ミラノ座 LAST SHOW


posted by 特急高尾号 at 19:40| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月20日

No221 千葉・銚子電鉄を行く


前回に続いて、千葉県の銚子と太平洋を望む外川を結ぶ房総半島のローカル私鉄、銚子電鉄の世界です。

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銚子電鉄に乗車するには、JR東京駅から総武線の特急しおさい号で銚子を目指します。
9両編成のしおさい号に乗車すること約2時間弱。終点銚子駅に到着すると、JRホームの先端に銚子電鉄の駅とホームが見えてきます。

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可愛い駅舎をくぐると、ご覧のようにたった1両の電車がポツンと停車しており、乗客を待ち受けています。

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電車は当然ワンマンカーですが、土休日などの混雑時間帯は車掌さんも登場します。
この日は20代と思われる若い女性社員の方が担当していました。そもそも車掌さんはいないと思っていましたから、まったくのお驚きでした。

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車内で発売される乗車券も、彼女の手にしっかりとありました。
昭和の40年代頃まで、日本の鉄道や路面電車、そして路線バスの車内では、車掌さんが肩から革製の黒い鞄をかけ、左手に車内補充乗車券、右手に乗車券にパンチを入れる鋏を持つ光景が当たり前でした。
既になくなっていると思っていた光景が、ここにはありました。

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車内から見た、途中の仲ノ町駅です。
時間が止まっているかのような、なんとものどかな光景です。
黄色の電車はもとはといえば、都心を走る営団地下鉄(現東京メトロ)銀座線の車両です。
右の小型機関車につながれた車両は、もとは新宿から多摩地区を結ぶ京王電鉄の車両です。
縁あって、それぞれが千葉は房総半島で余生を送ってるのです。

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途中、うっそうとした木立ちを抜けると、景色は劇的に一変します。

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この地特産の広大なキャベツ畑が眼前に広がります。海、漁港の街の銚子から、農地の街の銚子に様変わりです。

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キャベツ畑を抜けるとまもなく終点の外川駅です。
この先はもう太平洋で、行き止まりです。
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終点の外川駅です。
大正12年7月の開業で、木造平屋建ての駅舎は修繕をうけつつも、当時の姿を色濃く残し、現代にその姿を伝えています。

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駅舎の内部です。
全国のローカル私鉄の終着駅に共通する、木の薫り、ぬくもりがじんわりと伝わってくる、独特の空気感です。

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こんなものもありました。
郵便配達のスクーターです。こうした方面に感心をお持ちの方にとってはお宝かもしれません。

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先の仲ノ町駅に留置されている、右側の可愛い機関車は現役の電気機関車デキ3号です。
銚子電鉄のホームページには以下のように紹介されています。

【日本の旅客営業鉄道線の中で最も小さい機関車で全長4.4mというミニ機関車。大正12年にドイツ、アルゲマイネ社製で鉄道ファンや訪れる方々に大変人気の車輌である。平成24年末に90周年を迎えたデキ3号。昭和16年の入線当時の姿に変更。】

このミニ電気機関車デキ3号は、駅で入場券を買えば誰でも近くで見ることが可能です。

さて銚子電鉄は大正12年7月の開業。全線が僅か6.4km。単線で最高速度も40km/hという小規模な地方路線です。1両編成の電車が地域の人々の足となり、キャベツ畑を分け入って行ったり来たりする光景は、まさに存在そのものが “暮らしの文化遺産” のように感じられました。

先日はNHKのニュースが、故障した電車の修理代にも窮する銚子電鉄を支援しようと、地元の高校生がネットで支援を全国に呼びかけ修理代をカンパしたという、なんとも心温まるニュースを放映していました。

JR東京駅から特急で僅か2時間弱の世界です。ぜひ銚子電鉄の世界を堪能してみてください。

なお写真の赤い電車1002号は、1994(平成6年)に当時の営団地下鉄から銚子電鉄に譲渡、入線したものですが、平成27年1月10日(土)限りで引退することが決まりました。お別れの記念運転が予定されています。

[撮影データ]
  〇銚子電鉄 各駅
  〇平成26年11月22日撮影

[関連情報]


posted by 特急高尾号 at 10:27| Comment(0) | 鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月13日

No220 千葉・銚子を走る 元地下鉄電車


220-1 26.11.22 銚子 電鉄 君ケ浜−海鹿島 26.11.22.jpg

ここは千葉県の東部、房総半島の東に位置する漁業、醤油製造、そして農業の街、銚子です。
半島の東端には犬吠岬があり、銚子は台風銀座の地としても昔から広く知られています。

この房総半島、銚子の街をこのほど50年ぶりに訪問しました。そしてこの地を走る銚子電鉄で、びっくりする光景に出合いました。

220-2 26.銚子 電鉄 君ケ浜−海鹿島 26.11.22.jpg

この地特産のキャベツ畑の中をやって来たのは、のどかな田園風景にはおよそ似つかわない、真っ赤な井手達の、たった1両の電車でした。

なんとこの電車は昭和34年製で、かつては東京都心を走る地下鉄銀座線や丸ノ内線の支線で活躍していた車両でした。

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その車両がどうして縁もゆかりもない千葉県の房総半島で走っているかと言えば、銚子電鉄の厳しい経営状況にあります。
超ローカル私鉄の銚子電鉄は、御多分にもれず経営不振で幾度となく存続の危機に見舞われましたが、社員が地元名産の“濡れ煎餅”の販売を続けたり、地元利用者の支援活動などを得ながら踏ん張っています。

営業に就く車両はわずか6両のみですが、痛んだ老朽車両の置き換えに新車を導入する余裕は全くなく、全国各地から御用済みとなった車両を譲り受け、何とか急場をしのいでいるのです。
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終点の外川駅の光景です。
まるで戦前の世界にタイムスリップしたような光景です。それもそのはずで、外川駅の開業は大正12年7月で、この木造平屋建て駅舎は修繕を繰り返しながら、現在も使われているのです。

古色蒼然とは、まさにこのことでしょうか。
1両編成の電車が、1日中、行ったり来たりの世界です。

戦前の木造駅舎に昭和34年製の真っ赤な元地下鉄車両−。
アンバランスな光景ですが、厳しい地方ローカル私鉄の現実の姿です。

[撮影データ]
  〇銚子電鉄
    @君ケ浜−海鹿島
    A  同上
    ➂犬吠駅
    C外川駅
  〇平成26年11月

[ご参考]



posted by 特急高尾号 at 16:05| Comment(0) | 鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月07日

No219 車内広告の世界(32)


電車内の車内吊りポスターは時代を反映し、またデザインやキャッチも最先端と、見るものを飽きさせません。
そうした面白くて楽しい車内ポスターを毎月定点観測しています。
今回は26年11月に出会ったポスターです。

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ことし、首都圏の鉄道駅構内や電車内で、目に障がいがある方々の支えとなっている盲導犬に危害が加えられるという心痛む事件が起きました。

そうした事件が続かないよう、また盲導犬の役割や存在の理解促進のため、電車内にも啓発のポスターが掲出されました。本来なら、必要のない社会であって欲しいと願わずにはいられません。

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こちらは「週刊プレイボーイ」誌の広告です。
なんと創刊48周年とあります。アイドルや社会事象を追いかけ48年。まさに文化ですね。
青春の10代に、お世話になった男性諸氏は、多いはずです。

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東京西部と多摩地区を結ぶ京王電鉄京王線・井の頭線の広告です。
京王は京王線の新宿、井の頭線の渋谷と、日本を代表する2つのターミナルを有しており、一つの定期券でどちらの駅も利用を可能とするグッドアイデア商品を発売しました。

定期券にもアイデア商品−。
今後各社でも、さまざまな商品が登場するといいですね。

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鉄道と言えば、近年はJRや大手私鉄は、秋の10月、11月は普段は一般人は立ち入り禁止となっている車両基地や工場を公開、お客様とのふれあいイベントを開催することがブームとなっています。

これは東京・池袋と埼玉の寄居を結ぶ東武鉄道東上線のファミリーイベントの案内です。
各社とも工場内での車体クレーン吊り上げ、車体洗浄の車内体験乗車、代表的な車両や特殊車両の展示、車両整備や線路保守作業の説明などなど、大人の社会見学としても1日たっぷり楽しめる内容となっています。

こうした催しは全国各地で行われており、“鉄ちゃん” のみならず、親子ずれで大人気となっています。

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秋と言えば、競馬もシーズンですね。
競馬場も多くの来訪者を期待し、こうした楽しい広告を出す時代となりました。

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最後は、こんな方が車内の天井広告で微笑んでいました。
年配の方ならご存知の、インドネシアの元スカルノ大統領夫人、デヴィ・スカルノさんです。
日本ではタレントなどとしてすっかりお馴染みの方ですが、探偵社の企業キャラクターとしての登場には驚きました。

今月は、可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。
来月はさらに期待したいところです。

[撮影データ]
  〇首都圏鉄道の車内広告
  〇平成26年11月撮影

posted by 特急高尾号 at 16:31| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする