2016年03月31日

No284 車内広告の世界(48) 平成28年3月


電車内の吊り広告や駅構内の広告ポスターは時代を反映し、デザインやキャッチが最先端で、見る人を飽きさせません。
そうした中から毎月印象に残った作品をお伝えしています。
今回は、平成28年3月に出会ったポスターです。

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3月25日はプロ野球の開幕でした。
伝統的に巨人の試合を放送する日本テレビの広告です。
昨年秋から野球賭博疑惑に揺れた巨人軍ですが、開幕直前のこの広告では、よく見ると「巨人軍、一新」とのキャッチフレーズが入っています。

しかし、本当によく見ないと気づきません。大きな文字を使用できないくらい、恥ずかしいという事でしょうか。

このポスターが車内に掲出された翌日、皮肉にも新たな疑惑関与問題で、NPB・日本野球機構の裁定を受けたT選手に、巨人軍は契約解除処分を発表しました。

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3月は大学生の就職活動スタートの月とも言えます。
ことしの企業へのプレエントリーは3月が解禁、就職戦線は6月に正式スタートします。昨年より2ヶ月も早い選考開始なり、短期決戦となるようです。

この広告はそうした時期を反映したもので、「ひとりじゃない。」とのコメントが入っています。しかし実際の学生さん達は一人ひとりが孤軍奮闘しており、こうした広告を逆に不快感を持って見ている人も少なくないという事です。

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ともあれ、車内には大学生の就職関係の広告が一斉に花咲きました。

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なかにはこんな広告も。
「UIJターン」−。この言葉をご存知ですか。
総じては「地域へ戻る」という意味のようですが、「Uターン」はご存知のとおり地域から大都市へ、そして再び地域へ戻る、「Iターン」は大都市から出身地域に近い中核都市へ戻る、そして「Jターン」は地域から地域へ戻るということのようです。

九州・山口地方はその受け皿として、熱心に支援活動を行っています。

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今月から自社の鉄道やバスの時刻、お買い物情報などを満載した、東京西部を走る鉄道会社のスマホ向けアプリスタートの広告です。
なかなか面白い図柄で印象に残りました。

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「ライオンバス」というのを、ご存知でしょうか。

ここ東京・日野市にある多摩動物公園では、1964(昭和39)年から世界に先駆けて、ライオンの群れの中をバスで走り、乗客はライオンを間近に見られるというアトラクションを行ってきました。動物園でのサファリ形式のアトラクション導入は、世界で初めてのことでした。

しかしライオンバス発着場の耐震化工事が必要となり、4月からしばらくの休業することになり、電車内にもその広告が溢れました。
50年もの歴史があるという事で、「一時休止」⇒「廃止」にならないよう、願うばかりです。

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ここからは、人の顔が続きます。

1等6億円でお馴染み、スポーツ振興くじの一種、BIGの広告です。
大きな顔立ちは、車内で大きな存在感を放っていました。

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脱毛といえば女性の広告と思いがちですが、これはなんと脱毛を男性にアピールしている広告です。
イラストとはいえ、なぜ男性の顔がグレーなのでしょうか。

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こちらは今月公開された山田監督の映画、「家族はつらいよ」の広告です。
「つらい」とは言ってはいますが、なぜか皆、楽しそうな顔をしているではありませんか。

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最後は、まもなく開業4年目を迎えようとしている、東京スカイツリーです。
さすがに客足が減っているのでしょうか。
お膝下を流れる隅田川の桜の満開季節を狙っての、“おいで、おいで” 広告でしょうか。

単に日本一高い電波塔という事だけではなく、近くにある浅草寺なども含めた東京の下町文化との接点、展開に期待したいものです。

1958(昭和33)年に作られた東京タワーは、やがておとずれる当時の東京オリンピックや、都市の近代化、東京の発展を象徴する存在として人々の心に残りました。
映画『ALWAYS 三丁目の夕日』が成立した由縁です。
スカイツリーは後年、人々の心の世界にどのような印象を紡ぐのでしょうか。

[撮影データ]
  〇首都圏鉄道 電車内吊り広告
  〇平成28年3月

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posted by 特急高尾号 at 00:08| Comment(0) | 車内広告の世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月23日

No283 姿を消した“パリ旅行”


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今回も新聞広告から時代を見ます。
今月中旬、朝日新聞朝刊土曜特集版内の、海外旅行の全面広告です。
「厳選 こだわりのヨーロッパ」とありますが、上からスイス、イギリス、そしてクロアチア・スロベニアとあり、海外旅行王道のフランス・パリの名前は見当たりません。

昨年11月のフランス・パリの同時多発テロ事件以後、邦人のパリ観光旅行は激減し、それを受けてパック旅行も実施はされていますが、新聞広告の世界からは消滅したままなのです。トルコ観光も同様で、つい先ごろまでは99,800円といった格安ツアーが溢れていましたが、こちらも国内でテロ事件が相次ぎ、姿を消しています。

それにとって代わるように最近の広告に度々登場するのが、「クロアチア・スロベニア」ツアーです。一般の日本人には馴染みが薄い存在ですが、東欧・中欧屈指の観光地や美しいアドリア海、世界遺産巡りなどの観光資源を誇り、間隙をぬっての登場です。

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おなじ紙面の裏側です。
日本人に人気の豪州、アメリカ本土、ハワイ、カナダなどに加え、南米ペルーもパック旅行に登場しています。
パリ旅行に向けられていた海外旅行ニーズを、ワールドワイドで何とか吸収したいという事でしょうか。

パリのホテル業界、観光客に土産などを販売する業界などは、いまも大打撃が続いると言います。それと言うのも、これまでパリ観光に訪れていた観光客のうち、落ち込み比率が最も高いのがロシア人、次いで日本人の観光客だという事です。
聞けば海外旅行客にとって最大の厄介者だった「燃油サーチャージ」が、ついにこの夏から廃止されるという事です。

『早く、こ〜い。こい。日本人!。』とでもいうべき叫び声が、パリの観光業界から聞こえてきそうです。

(追伸)
この記事を3月22日にアップする予定でしたが、その日、ベルギーのブリュッセルで空港と地下鉄が爆破され、多くの死傷者が発生するという同時テロが再び発生しました。
日本発のヨーロッパ方面への観光旅行全体に対し、再び落ち込みの波が起こりそうです。

[撮影データ]
  〇朝日新聞 平成28年3月12日朝刊全面広告

posted by 特急高尾号 at 00:09| Comment(0) | トピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月19日

No282 「現代」・「ポスト」 広告を読む


「週刊文春」、「週刊新潮」など、出版社系週刊誌が次々とスクープ記事をものにし、元気いっぱいと先頃お伝えしました。

今回は春の連休で3月末と4月第1週が合併号となるもう片方の雄、「週刊現代」と『週刊ポスト」の広告を見比べてみました。

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世の中高年男性の関心事と言えば、洋の東西を問わず「健康」、「お金」、「女性」と相場が決まっているようです。この2誌もしっかりと、その点を抑えています。
片方が「がんの名医50人」と来れば、もう片方は「糖尿病 60歳以上・未満のリスクと治療法」、そして記事の命名センスが抜群の「オレたちの認知症」と打っています。

「お金」で言えば、「中国経済大崩壊」・「いま下がっている株で儲けなさい」に対して「新・老後破産」の大特集です。

「女性」関係記事はもう花盛りで、両誌とも広告の3分の1が毎度おなじみの企画記事で、たいそう賑やかです。
最近の傾向は両誌とも、読者が若かった頃、つまり昭和40年代ころに活躍した懐かしいアイドル、女優のヌードを掘り起こし、紙面を飾る手法です。

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今回は片方が夏樹マリ、島倉千代子、山口いずみさんを「スクープヌード」として登場させれば、片方は「GORO&スコラ 昭和ヌードの金字塔」と銘打って、由美かおる、関根恵子、秋元ともみ、小林ひとみさんなどが登場です。
新人発掘・撮影に掛ける手間よりも、アーカイブスに依存する安直さといった空気感が伝わってきます。

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「新・老後破産」という言葉も、鬱陶しいです。
「下流老人」というはやりの言葉も含めて、なにか団塊世代の不安を煽っている、食い物にされているようにも感じます。中身は将来の生活リスク、警鐘といったありがたい記事なのですが、記事の呼び物として使用されるタイトルの使い方に、もっと優しさがあってもいいと思います。
同じ冊子に、「死ぬまでSEX 特別版」というのもありました。

このままいくと、団塊の世代の終焉とともに、両誌の役割りも終焉という事にならなければよいのですが…。
ちょつと言い過ぎましたでしょうか。

[撮影データ]
  〇週刊現代  平成28年3月26日・4月2日合併号広告
  〇週刊ポスト 平成28年3月25日・4月1日合併号広告 
  東京新聞   平成28年3月14日朝刊掲載
posted by 特急高尾号 at 14:50| Comment(0) | トピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月12日

No281 “映画のまち調布” 懐かしの銀幕スターが駅にズラリ


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ここは東京・調布市の京王線飛田給駅です。
ふだんは各駅停車の電車だけが停まる静かな駅ですが、近くに味の素スタジアムがあるため、J1サッカーやコンサートの開催時は、大勢の観客や特急電車の臨時停車などで大賑わいです。

先日所用でこの駅に降り立つと、改札の向こうに何やらたくさんの写真が飾ってあるのが目に飛び込んできました。

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「映画のまち 調布」とあり、吉永小百合さんや浅丘ルリ子さん、そして石原裕次郎さんや小林旭さんら、かつての日本映画隆盛期のころの銀幕スターたちを一同にした映画ポスターや写真が所狭しと飾られています。

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「嵐を呼ぶ男」や「陽のあたる坂道」を始め、「いつでも夢を」や「伊豆の踊子」など、懐かしい戦後20年代から30年代に至る、数々の日活名作作品のポスターを目の当たりにすることが出来ます。

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このほか日活映画創立100周年を記念して作られた銀幕スターや映画監督64人もの手形も展示されていて、圧倒されます。

なぜこうした日本映画の貴重なポスターなどが駅構内に展示されているかと言えば、ここ調布市は戦前から日活調布撮影所、角川大映撮影所などの撮影、現像、映像関係企業が集積し、「東洋のハリウッド」と呼ばれていたことに由来し、現在でもそうした事業が継続していることを記念し、地元調布市などによって展示されているものです。

調布市のホームページには、以下のように記されています。
市制施行60周年を記念し、「映画のまち調布」をより一層アピールするため、日活株式会社協力のもと、“映画のまち調布” PRを平成27年7月14日にリニューアルいたしました。

ポスターは14作品で、全て日活調布撮影所で撮影された作品です。
展示作品は左から、下記のとおりです。

  • 「いつでも夢を」
  • 「月蝕」
  • 「明日なき男」
  • 「南海の狼煙」
  • 「伊豆の踊子」
  • 「陽のあたる坂道」
  • 「キューポラのある街」
  • 「嵐を呼ぶ男」
  • 「ギターを持った渡り鳥」
  • 「霧笛が俺を呼んでいる」
  • 「愛するあした」
  • 「早射ち野郎」
  • 「紅の流れ星」
  • 「ビルマの竪琴」

映画好きの方にとっては、まさに “お宝展示物” というところだと思いますが、いやいやまさに日本の映画制作中核都市の、「貴重な継承すべき文化」だと感じ入ったことでした。

展示コーナーには日本映画制作に関する撮影所と調布市の関わりなど、日本映画制作の沿革などが丁寧に説明されたパネルも用意されています。

[撮影データ]
  〇「映画のまち 調布」映画ポスター、写真ディスプレー
    京王線飛田給駅コンコース
  〇平成28年2月撮影

posted by 特急高尾号 at 22:19| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月06日

No280 ハト好きにはたまらない 東京・八王子


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東京の多摩地区、八王子市の中心街です。
バスや多くの車、人々が行きかう交差点のすぐ脇で、毎日こうした光景が楽しめます。

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人が近づいても、ハトさんたちは逃げることはありません。

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どうやら歩道内に設けられているこのモニュメントと、その下の玉石の感触がお好きのようです。
そのためこんなに近くで、可愛らしいハトさんたちの写真が存分に撮れるのです。
ちなみにこの写真は望遠レンズではなく、ふつうのコンパクトカメラでハトさんの直近から撮影したものです。

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この広場の前には病院の建物があります。

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玄関の真上には、ご覧のようにハトさんたちが仲良く並んでいます。

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そして窓の周辺にも‥。
ハトさんたちは広場だけでなく、この病院の建物もとても気に入っているようです。
薬品などの独特な臭いに、ハトさんが “恍惚” 状態にでもなっているのでしょうか。

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それはともかくとして、ハトさんたちは毎日元気に、八王子の人々とともに生きています。

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餌付けされた観光地ならいざ知らず、ここは人々が暮らす街の中心部。ハトと人が何事もないように自然に共存している光景に、私は新鮮な驚きを覚えました。

[撮影データ]
 〇待中のハトさん
   東京・八王子市明神町4-8-1
     京王線 京王八王子駅西口。左折して2分
 〇平成28年2月15日撮影


posted by 特急高尾号 at 10:28| Comment(0) | 祭り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする