2016年12月30日

No322 車内広告の世界(57) 平成28年12月


電車内の吊り広告や駅構内の広告ポスターは、時代の空気を反映し、デザインやキャッチが最先端、またその時々の人々の暮らしの空気感も伝えています。
そうした中から、毎月印象に残った作品を選んでお伝えしています。
今回は平成28年12月に出会ったポスターです。

322-1 28.12車内ポスター.jpg

今月1日、車内でこの広告と出会った人は、一様に『えっ、ニトリが』と思わず声を出しそうになったかもしれません。
驚きの理由は、『ニトリが新宿タカシマヤにっ!?』(失礼)ということだと思います。

それもそのはずで、無印良品やイケヤと並んでニトリは、家具、家庭雑貨等を扱う大型小売店の3大御三家ですが、これまで低価格を特色として、郊外の、どちらかというと駅から離れたやや不便な場所での店舗展開が多かったためです。

都心部で苦戦を強いられているデパートをよそに、"おしゃれなニトリ" を標榜するニトリは、いつの間にか(またまた失礼)企業力を高めて攻勢に転じていました。
この広告は、ついに都心部の進出を果たした象徴の広告でした。いわば、ユニクロの後を追うような展開です。
駅の乗降客数世界一の新宿への出展は、20年以上前からの悲願だったという事です。

322-2 28.12車内ポスター.jpg

頭上から、哲学的ともいうべき問いかけのポスターとの対面です。
地域と暮らしを守る森を作る運動を進めている「鎮守の森のプロジェクト」の広告です。東日本大震災では、神社を囲む鎮守の森が、防風林として大きな役割を果たしたという事です。

地域と暮らしを守る森づくりをたくさんのボランティアと進めており、あの日学んだことをこの森に託したいと、この広告はメッセージを発しています。

322-3 28.12車内ポスター.jpg

ドア上の一等地にあった、このメッセージ。
いやがおうにも、目に入ります。『む、む、む、何これ?』と、頭を悩ませました。
広告の右隅にある説明を読まなければ、何の広告かは分かりません。
答えは、中学・高校受験のゼミナールの広告でした。なかなかのものです。

322-4 28.12車内ポスター.jpg

絵柄も面白いですが、 "盲導犬会議" と題されたこのタイトルに目を奪われました。車内や駅の構内で、目立ちました。日本盲導犬協会のユニークな広告です。
ワンちゃんたちが、自分(盲導犬)と、人間(飼い主)との交流を語り合っています。吹き出しの、そのセリフを通じて、盲導犬の役割りをアピールしています。

322-5 28.12車内ポスター.jpg

12月といえばこの季節ですが、真正面からサンタさんを描いた広告は、意外に少なかったですね。
またクリスマスケーキを扱った広告にはついぞ出会わず、皆無でした。
そういえば街中でクリスマスケーキを売る姿も、最近はめっきり減っていますね。

322-6 28.12車内ポスター.jpg

一方で、こんな実用品の広告がー。
しかもメッセンジャーはアイドルグループのKis-My-Ft2(キスマイフットツー)です。
まさかの「カイロ」の広告には、初めての対面です。

322-7 28.12車内ポスター.jpg

"お馬さん" 大好きの人々にとっては、年末のこれが終わらなければ新年は迎えられない−、と言ったところでしょうか。

それにしても賑やかなラッピング広告です。JRA=日本中央競馬会は、鉄道車両への広告が大好きのようです。

322-8 28.12車内ポスター.jpg

年の最後は、これ−。
31日から元旦にかけて運転される鉄道の「終夜運転」広告です。ご来光や初詣に向かう老若何女の足として活躍します。
海外ではありえない、日本だけの広告かもしれません。

322-9 28.12車内ポスター.jpg

拉致問題に端を発する、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」の広告です。

「必ず、救い出す」−。
日本海の荒波とともに緊張感いっぱいの広告ですが、「政府主催 拉致問題に関する国際シンポジウム」の広告で、広告主は内閣官房拉致問題対策本部と、法務省人権擁護局とあります。
こうしたメッセージがアピールされるのも、年末が一年の節目という事ことでしょうか。

322-10 28.12車内ポスター.jpg

こちらは12月公開の、劇場映画の広告です。
個別の映画も、単独で電車内に広告を打つ時代なのですね。

322-11 28.12車内ポスター.jpg

今月は、こうした広告にもお目にかかりました。
在京キー局の、と言ってもテレビではなく、なんとラジオ局の宣伝です。
「これが、ラジオだ!」、そして「文化放送」という大きな文字が、団塊の世代には印象的ではないでしょうか。

322-12 28.12車内ポスター.jpg

こちらは「小さいという、新機能」を謳ったお掃除ロボットの宣伝です。
大掃除の季節を狙った戦略商品だと思いますが、お掃除ロボットも進化が進んでいるようで、掃除の出来栄えは当然のこと、いよいよ小型化もアピール出来るステージに入ったようです。

先のカイロといい、こうした商品広告に、若い男性アイドルが活躍しているのも、今年の特色でしょうか。

ことしも様々な広告、宣伝、PRが車内の頭上を飾りました。
この「車内広告の世界」は、私の "独断と偏見" で毎月綴っているのですが、ことしも多くの皆様にご覧いただき、ありがとうございました。
2017年も、どのような楽しい車内広告が登場してくるのか、いまからワクワク、ゾクゾクです。

[撮影データ]
  〇首都圏 鉄道車内広告から
  〇平成28年12月撮影

posted by 特急高尾号 at 14:15| Comment(0) | 車内広告の世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

No321 日活ロマンポルノ45周年 新作スタート


321-1 風に濡れた女  東京新聞28.12.16.jpg
  ▽ 映画「風に濡れた女」公開広告 東京新聞 28年12月16日夕刊 ▽

平成28年12月16日(金)の東京新聞夕刊です。映画欄ページの下段に、ご覧の映画広告が掲載されました。

映画の題名は「風に濡れた女」。
第69回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門<若手審査員賞受賞>とあります。
今月17日(土)に、東京と横浜の2つの映画館で公開が始まりました。

モノクロのこの広告では、映画の具体的イメージまでは分かりませんが、この広告こそ、1971年の登場以来、ことしで45周年を迎えた成人映画「日活ロマンポルノ」の蘇り、再来なのです。
広告の右下に、「ロマンポルノ誕生45周年記念作品」とあります。

321-2 ロマンポルノを扱う日経新聞 28.10.17版夕刊.jpg
 ▽ 新生「ロマンポルノ」を扱う日経新聞特集記事 28年10月17日夕刊 ▽

「ロマンポルノ」は登場からしばらくの間、猥褻映画の象徴のような見られ方をされた時代がありました。
しかし破局を迎えていた日活映画の救世主とすべく、日本映画の名監督や日活の火を消してはならないと奮闘した俳優や映画人たちの努力、さらにポルノ映画という表現の中で、時代や社会の理不尽を描いた作品性が45周年を迎えたいま改めて高く評価され、「ロマンポルノ」が各世代で再認識、また海外映画界からも注目されています。

ご覧の新聞記事は、日本経済新聞10月17日夕刊の文化欄特集記事です。
また11月に放送されたNHKBSプレミアム「アナザーストリーズ 〜運命の分岐点〜」では、この「ロマンポルノ」の変遷、存在意義などをテーマに放送され、視聴者を驚かせました。
いわば一般向け中核ディアで、「ロマンポルノ」が、文化として意義付けられた瞬間でした。

321-3 風に濡れた女  映画パンフレット 28.12.18.jpg
 ▽日活ロマンポルノ  新作映画「風に濡れた女」 広告パンフレットから ▽

日活はことし、「ロマンポルノ・リブート(再起動)」に着手。
力量が高く評価されている塩田明彦、園子温など5監督が、かつてのロマンポルノに準じた上映時間80分前後、制作費は一律、撮影期間は1週間などの条件下で5作品を製作、順次公開されていきます。

ベストセラーや人気アニメなど、原作ものありきに依存する今日の日本映画界製作風潮を打破し、作家性や自由な映画製作姿勢を標榜する "新・日活ロマンポルノ" がどれだけ定着していくか、かつての観客・団塊の世代や、新しい観客・若い世代がどのように反応していくか、映画人ならずとも "新しい風" に注目です。
すでに5作品の大半は、世界各地での国際映画祭に招聘されているとのことです。

[撮影データ]
  〇日活ロマンポルノ  新作映画「風に濡れた女」
    東京新聞 東京新聞 28年12月16日夕刊
  〇新生「ロマンポルノ」特集記事
    日経新聞特集記事 28年10月17日夕刊
  〇日活ロマンポルノ  新作映画「風に濡れた女」
    映画館での配布パンフレット

[ご参考]

posted by 特急高尾号 at 16:43| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

No320 驚きを越える 7,77万円の欧州旅行


320-1-2 7.7万円欧州旅行 28.12.2.jpg

今月に入り、日経新聞や毎日新聞で、ご覧のような広告を見つけました。
なんと、イタリアやオーストリア、ドイツ方面などのヨーロッパ4方面や、エジプトなどへの海外7日間、パックツァー旅行代金が、1〜3月の期間中、いつでも7,77万円均一(2名で参加の場合の1名分の料金)とあります。

しかも航空機は羽田発、燃油サーチャージ込み。添乗員同行の全観光付、そして全12回の食事付きといいますから、もう驚きを越えて感嘆‼です。
その上、航空機の座席指定可能、ツインベッド確約、お土産店立ち寄りなし、旅行代金全額一括入金やオンライン予約ではさらに割引ありとアピールされています。

320-3-2 7.7万円欧州旅行 28.12.2.jpg

長年、海外旅行の新聞広告を見ていますが、同等パック料金の半額程度、春先の卒業大学生を対象とした学生向けパック料金よりも安い価格設定に、度肝を抜かれました。
「〇〇政府観光局協賛」や「モニター旅行」といったタイトルも見られず、単に「感謝企画」とあるだけですから、自社ものツアーという事でしょうか。

『いったい、どこでどのようにして利益を上げるのだろう』と、思わずにはいられませんでした。
敢えて言えば、利用航空会社がエミレーツ航空であること、中東ドバイ経由の乗り継ぎ便であることが一般旅行客にとっては辛い点でしょうか。
いやいや、エミレーツ航空は今やサービス面では人気の航空会社で、2016年のワールドベストエアラインを受賞しています。

にもかかわらずこうした価格設定が登場するという事は、欧州やアフリカ方面は度重なるテロで不安感が払拭されず、価格面では相当魅力的な中東経由便でさえ、苦戦を強いられているのかもしれません。
あるいはこれらのパック旅行は設定日の定員が40名程度と少なく限定されていますので、もう少し高い価格帯への誘導役を担っているのかもしれません。

320-4 7.7万円欧州旅行 28.12.2.jpg

それにしても大新聞に1面全部を使っての大広告です。
広告料も決して安くはないことを考えると、本当にこの業界の価格設定には興味が尽きません。

私がもう少し若ければ、こうした魅力的な価格設定のパック旅行体験旅行記を出版するところですが、それなりの気力・体力・筆力が必要と判断し、残念ながら諦めざるを得ませんでした。

[撮影データ]
 〇平成28年12月2日 毎日新聞東京版 全面広告

posted by 特急高尾号 at 23:43| Comment(0) | 街角アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月05日

319 車内広告の世界(56) 平成28年11月


電車内の吊り広告や駅構内の広告ポスターは時代の空気を反映し、デザインやキャッチが最先端です。
そうした中から、毎月印象に残った作品を選んでお伝えしています。
今回は平成28年11月に出会ったポスターです。

319-1 28.11車内ポスター.jpg

この車両に乗る94%の女性の皆さんへ」と言われても、男性の目にも留まります。

319-2 28.11車内ポスター.jpg

女性の化粧品関係の広告で、車内がピンク色一色に染まっていました。

319-3 28.11車内ポスター.jpg

秋は競馬のオン・シーズン。
車内には競馬に関する広告も数多く見られました。
これは、伝統の「有馬記念」の広告です。

319-4 28.11車内ポスター.jpg

そしてこちらは、「ジャパンカップ」です。
ロゴと競走馬のシルエット。そしていつもの3人がこちらを向いて立っているだけという超シンプルなものですが、シンプル故に車内で存在感を放っていました。

319-5 28.11車内ポスター.jpg

アメリカの次期大統領に選出されたトランプさんです。
選挙中の発言やパフォーマンスについていろいろと物議がありましたが、当選後もメディアを賑わし続けています。
いつもの週刊2誌が、仲良く筆頭ネタとして取り上げていました。

319-6 28.11車内ポスター.jpg

パチンコの広告は、いつも迫力満点。
これに勝るものはなく、ドカーンと車内で勢力を誇っています。

319-7 28.11車内ポスター.jpg

大きいサイズ専門の、紳士服店の広告です。
よく見ると中央に、3L〜9Lとあります。「9L」っていったいどんな大きさ?、どういう人が着るの?と思わずにはいられませんでした。

319-8 28.11車内ポスター.jpg

楽しいデザインは、ビール会社の広告です。
季節ごとに登場するのですが、朝夕の通勤車内をいつも和ませてくれる作品です。

11月は、少々寂しい結果でした。
年末商戦に突入する12月に期待したいと思います。

[撮影データ]
  〇首都圏 鉄道車内広告から
  〇平成28年11月撮影

posted by 特急高尾号 at 22:33| Comment(0) | 車内広告の世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする